しなみざくら (支那実桜)

 学名  Cerasus pseudocerasus (Prunus pseudocerasus, P. pauciflora)
 和名  シナミザクラ
 科名(和)  バラ科
  別名(和)  ミザクラ(実桜)、カラミザクラ(唐実桜)、シナオウトウ(支那桜桃)
 漢名  櫻桃(オウトウ,yīngtáo)
 科名(漢)  薔薇(ショウビ,qiángwēi)科
  別名(漢)  含桃(ガントウ,hántáo)、楔(セツ,xiē)、荊桃(ケイトウ,jīngtáo)、英桃(エイトウ,yīngtáo)、朱桃(シュトウ,zhūtáo)、鴬桃(オウトウ,yīngtáo)、崖蜜(ガイミツ,yami)、朱櫻(シュオウ,zhūyīng)、紫櫻(シオウ,zĭyīng)、蠟櫻(ロウオウ,làyīng)、麥櫻(バクオウ,màiyīng)、麥英(バクエイ,màiying)
 英名  

2023/03/07
 埼玉県花と緑の振興センター (埼玉県川口市安行)   
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2005/03/25 跡見学園女子大学新座キャンパス 
2007/03/07 同上 

2012/03/28 同上
2004/04/24 同上
2005/05/09 同上

 サクラ類の実であるサクランボ(桜坊)はいずれも食えば食えるが、ヤマザクラなどの実は苦いので、一般には食わない。大粒で美味な果実をつける種をミザクラと呼び、世界に数種類があって、食用に栽培する。
 近年普通にさくらんぼ
(桜坊)として売られているものは、西洋種のセイヨウミザクラ C. avium(歐洲甜櫻桃;E.Sweet cherry)。ここに掲げるものは、漢土在来のさくらんぼ。
 シナミザクラが関った観賞用の栽培品種に、ツバキカンザクラ(椿寒桜)・トウカイザクラ(東海桜)・ケイオウザクラ(啓翁桜)・コブクザクラ(子福桜)などがある。
 サクラ属 Cerasus(櫻 yīng 屬)については、サクラ属を見よ。
     日本では、桜桃(オウトウ,yīngtáo)をユスラウメと訓じるが、誤り。
 『本草和名』桜桃に、「和名波々加乃美、一名加尓波佐久良乃美」と。
 中国では、歴史的には、櫻(オウ,yīng)とはたいていの場合、櫻桃(シナミザクラ)を指した。
 一名を含桃・鶯桃というのは、コウライウグイス(黃鶯)がこの実を口に含んで食うことから(『呂氏春秋』高誘注)。
 種小名 pseudo-cerasus については、セイヨウミザクラの訓・誌を見よ。
 河北・陝甘・河南・山東・江蘇・浙江・江西・四川原産、彼地で普通に栽培。
 日本でも中国・四国地方でまれに栽培。
      中国では、果を食用にし、葉・核(櫻桃核)を薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.497-499
 その実を
紅珊瑚(コウサンゴ,hongshanhu)・紅玉(コウギョク,hongyu)・紅珠(コウシュ,hongzhu)・水晶珠(スイショウシュ,shuijingzhu)・火齊珠(カセイシュ,huoqizhu)・火色貝(カショクバイ,juosebei)などと美称する。
 『礼記』「月令」五月に、「羞(すす)むるに含桃を以てし、先づ寝廟に薦む」と。
 『爾雅』釈木に、「楔、荊桃。〔今の櫻桃なり。〕」と。
 賈思勰『斉民要術』巻4に、「桜桃」が載る。
 日本の明治以降の詩文に登場するサクランボは、おそらく、ほとんど全ての場合セイヨウミザクラであろう。

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